わたしはとっても臆病だから
死ぬのがとても怖いのです
気がついたら老いている
その瞬間にハッとする
いつのまにいつのまに
わたしがほんとうに怖いのは
いざ死ぬ間際のその時に
悔いを残して死ぬことです
自分の人生はなんだったのか
なんだったのか
生はとても残酷で
道は誰しも決まっている
どんなに手を尽くしあがいても
老いと死から逃げられない
わたしもあなたもこの子たちも
わたしは死ぬのが怖いので
怖さを払う方法を
ずっとずっと考える
初めて死を意識した
10歳のあの日から今の今まで
人生50年
信長公は辞世の句に
そうしたためて世を去った
いくら功成し名を残しても
命は必ず燃え尽きる
わたしもまもなく50年
おぼろげに思うのは
この50年は今のため
今目の前の人たちと
私のために生きてます
これから先の人生は
未来のために使いましょう
私が去ったそのあとの
まだ現れぬ子種のために
命燃やして闘いましょう
なにが正しいか分からない
死ぬその瞬間にようやくに
答え合わせができるでしょう
今はただ老いる己を受け止めて
ちゃんとちゃんとと生きていく
三宅弘晃