和紙の社

誠実な整体が未来の健康を救うというお話

和紙の社として

ここわごいちは和紙の社かもしれない。

この部屋に越して来た時、まず手を付けたのが壁だった。なるべく自然素材がいいと、珪藻土、漆喰、無垢の木などをリサーチした。

実は珪藻土や漆喰にも良くなさげな添加物が含まれていることも多く、なかなか結論が出なかった。

日が刻々と過ぎ行く最中に「和紙を貼ったらいいんちゃいまっか」と提案する和紙屋に出会った。へえ~和紙を壁に貼るの?と興味津々の私を、和紙屋は自分の工房に案内してくれた。4坪ほどのその工房は和紙の壁だった。天井も和紙が張ってあった。触って見る。凸凹の優しい感触に皮膚が良くなじむ。

さらに和紙屋は「自分で貼ったら安上がりでっせ」と貼り方まで教えてくれた。使うのはデンプン糊だからシックハウスなどの心配もない。これだ、これに決めた。

さて和紙貼りDIYの開始。どうせなら壁だけじゃなく天井にも和紙を貼ってしまおう。天井には炭粉末を2枚の和紙で挟み込んだ特殊な和紙を貼ることにした。和紙と炭で部屋を調湿してもらおう。見た目にもボコボコした炭和紙が素朴で温かい。

和紙貼りにのめりこんでいく私を見て、さらに和紙屋は「床にも和紙を貼れまっせ」と言ってきた。いやいやさすがに床に和紙は無理だろうと言ったら、「いや、国産こうぞ100%手すき和紙を2枚重ねて、その上に柿渋を塗ったら大丈夫でっせ」なんて言ってくる。ホンマかいな。

よくよく聞いてみると、正倉院で見つかった1000年前の和紙はそういう和紙らしい。ちゃんとした和紙は、私たちが普段作っているパルプ紙とは物が違うらしい。値段もだいぶ違うらしいが。

少し迷ったが、ここまできたら乗り掛かった和紙屋の船に乗ってしまおうと、和紙の床にも挑戦することにした。壁、天井、床、全て和紙にくるまれる整体院。悪くない。きっと居心地よくて、他にはない面白い空間になる。そんな経緯でわごいちは、和紙の社となることになった。

あれから9年。和紙の床は破れることなく人の歩みを受け止めている。肌触りも極上だ。しかし果たして1000年持つかどうか、その答えは991年後にわかるだろう。

 

f:id:haragaku:20210328124000j:image